粒子線治療
切らずに治すがん医療として『粒子線治療』が注目されている。
放射線治療に比べ、病巣への集中性が高く、正常な細胞への負担が少ない。
外科手術の必要がなく、速やかな社会復帰が可能で、生活の質を維持できる「優しい医療」としても、期待されている。
日本では、治療施設が5ヵ所。資料研究施設が1ヵ所。先進医療が適用された施設もあり一般診療による患者数も増加している。
粒子線治療は、身体への負担が少なく、手術や抗がん剤治療と違い、痛みなど身体的負担が少ない。
自由に身体をうごかすことができ、高齢者も治療を受けられる。
患者は治療室の寝台に横になるか、座った状態で治療を受ける。
照射時間は、約1分程度。がんの種類や部位によって、照射回数は4〜40回。期間は約1〜8週間と異なる。
治療費は約300万円。全額自己負担で、健康保険が使えない。
医療に使われる放射線には2種類ある。一つはX線に代表される、光子線。もうひとつが、粒子線である。
粒子線は電子や陽子、炭素イオンの流れで、電子線、陽子線、炭素線などがあり、粒子線治療に使われているのは、陽子線と炭素線である。
X線の場合、身体表面の近くで多くの放射線が照射され、病巣に届くまでに減弱してしまうが、粒子線は、病巣への集中的な照射が可能で、周辺の正常な細胞には影響を与えずに済む。
治療が可能ながんは、肺・肝臓・前立腺・骨軟部腫瘍・単発性の転移性腫瘍などである。
頭部・頸部がんにも傷が残らないため有用である。
胃や大腸などの消化器系のがんや、全身に広がる白血病などには適さない。